イベントレポート:トークライブ2021

昨年11月に開催した『田んぼできずなトークライブ』の様子をご紹介します。


開催日時

11月14日(日) 10:00~12:00

開催場所

身延山 田中屋旅館 大広間

内容

このイベントは、キヤノン株式会社の「未来につなぐふるさとプロジェクト」※下記参照 の支援を受けて企画・実施されました。

「未来につなぐふるさとプロジェクト」は、キヤノン生物多様性方針のもと『子供たちの未来に美しく緑豊かなふるさとを残すこと』を目的とした生物多様性の啓発・保全活動です。

当日は、2021年の田んぼの生き物調査報告の後、減農薬運動の先駆者であり「田んぼの学校」「“百姓仕事”が自然を作る」など多くの著書や「第23回農業ジャーナリスト賞特別賞」(2006年)、「日本農業普及学会・学術賞」(2020年)など数々の受賞歴がある福岡の百姓 宇根豊さんに「生き物もご飯も田んぼのめぐみ」と題して講演いただきました。

人の顔のパーツが実は植物に語源がある(芽→目、花→鼻、実→耳、葉→歯等)のではないか、人は自然なのか、田んぼは自然なのか、田んぼの果たしている役割は何か、赤とんぼと田んぼ・百姓との関係、また害虫・益虫・ただの虫とは何なのか、欧州と日本の農業への考え方・とらえ方の違いなど、自然と人とのつながりや自然の概念など日頃何気なく見過ごしてきた事象や事柄を実体験をベースにお話しいただき、田んぼと日本人の関係性について参加者に多くの気づきや感銘を与えていただきました。

講演後、宇根さんへの質問や意見交換の場を設けたところ、多くの参加者の皆さんから日ごろの活動の中で感じていること・疑問などの質問をいただきました。丁寧なアドバイスや意見が交わされ、とても有意義な時間となりました。

この場をお借りしまして、遠くまでご足労いただいた宇根さんご夫婦に改めて感謝申し上げるとともに、ご参加いただいた皆様にも厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

(レポート:風土人スタッフ 齋藤)

 

フォトギャラリー

宇根豊氏 プロフィール

1973年より福岡県農業改良普及員を務め、83年九州で初めて「減農薬米」の産直に取り組む。
同年『減農薬稲作のすすめ』を自費出版し、減農薬運動が全国に定着。赤トンボが田んぼで生まれることに着目し、「ただの虫」たちが自然環境を形成しているという画期的な視点を提案し、農業と自然環境の新たな関係を発見する。
2000年『田んぼの学校・入学編』を出版。同年福岡県庁を退職し、NPO法人「農と自然の研究所」を設立、代表理事に就任。2010年NPO法人「農と自然の研究所」解散。現在は任意団体として活動。2001年日本作物学会第2回技術賞受賞、2006年 農政ジャーナリスト賞受賞。著書多数。『国民のための百姓学』(家の光協会・第21回農業ジャーナリスト賞受賞作品) 等。

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